●●2002/03/25(月)サイクルプレスジャパンより●●
『インタープレス』より
 

 シリーズ:車いすに付ける『チェアライダー』
             車いすごと乗れる『チェアウィング』

 障害者の自立思考から開発計画がスタート
 「障害者が行動範囲を広げようとしても手動車いすでは限界がある。坂道で自走
するのは若い人でもとても苦しいし、ましてやお年寄りなら登ることは不可能だ。こ

うした悩みを解決するため、いま使っている車いすに簡単にジョイントできる電気

化ユニットを思い立った。」
 こういうのはGISクレオスと開発を一緒に手掛けてきたあい・あーる・けあと言う福
祉サービスの企業の代表取締役でもある落合克良氏である。氏は脊髄カリエスと
戦いながら長年車いすでアグレシッブな活動をこなし、なお企業の支えてきた経営
者でもある。行動的な落合氏は、自ら車を運転してさまざまな場所に出向く。
もちろんレジャーを満喫することもたびたびである。
 だが、冒頭のようにどこでも車いすで自在に走り回れるほどインフラが整ってい
るわけではないのが現状だ。こんな思いは、落合氏に限らず障害者の多くが感じている。
 そんな折り、GISクレオスが販売している電動三輪車『軽がも』と遭遇したのだ。
前輪駆動が特色の『軽がも』は、駆動部や座席、ボディが工具なしで分解できる。
モーター・前輪・ハンドルが一体となった駆動部を利用すれば、これまでに無い電
動化ユニットにならないか?こんな発想から、GISクレオスとの共同開発がスタート
した。一昨年のことである。
 そして、足かけ3年となる今年、念願の開発計画が完成をみるまでこぎつけたの
である。
 各パーツを10kg以下に連結も簡単な『チェアライダー』
 いま乗っている車いすに電動駆動部を連結できないか?こんな視点から、まず、
開発が手がけられたのが連結器を使った電動化ユニットである。『チェアライダー』
とよばれるこのユニットは、車いす生活の長い落合氏の経験が随所に生かされて
いる。落合氏はいう。
 『連結器といっても、各パーツを10kg以下に抑えないととても持てない。駆動部
は、10kg弱、連結器はアルミ素材を用いて3.2kgに抑えた。』
 こうすることで、比較的力の弱い女性でも容易に各パーツの連結ができることに
なった。電源は、ニッケル水素電池(4kg)を採用した。鉛電池に比べると充電効
率がよく、軽量で耐久性に富んでいるのが特色のこの電池は環境にもやさしい電
池として注目されている。『チェアライダー』の場合、8時間の充電で10kmの走行
が可能とされており、傾斜15%の坂道なら難なくクリヤ出来るパワーが備わって
いる。全自動電磁式ブレーキのため停車の際にはレバーを放すだけでいい。
 車いすの自転車代わりで人気の『チェアウィング』
 『チェアライダー』は、実はいまから2年前、落合氏の手によってその原型が作ら
れていた。2001年の国際福祉機器展に試作車が持ち込まれ、これが会場で一
躍話題をまいたいきさつがある。それ以降、「車いすでそのまま乗り込めるタイプ
はできないか?」といった障害者からの要望が相次いだ。そこで、駆動部と連結
する幅広の車体を考案、まさに車いすごと乗り込めるカートタイプとして実現したの
が『チェアウィング』である。12V18Amp/H(密閉式2個)のバッテリーを用い、
家庭の電源から簡単に充電できて、10時間あまりの充電で20kmは走るという
『チェアウィング』は、いわば車いすの自転車代わりともいえる。
 コンパクトながらも15%の傾斜ならスイスイ登るパワフルさも備わり、いまのよう
な春の季節には颯爽と風を切って走れる楽しみが増えるというものだ。
 発売基のGISクレオス鰍ナは販売にあたり自転車店やバイク店を優先した拠
点づくりを進めており、今後販売促進活動を通じて寄せられた顧客への販売に
は近在の協力店からの納品。マージンの支払いを行っていく計画でもあり、多く
の販売店からの連絡を待っている。[フリーダイヤル0120-210-086]


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